京大大学院情報学研究科社会情報学専攻に合格するまでにしたこと

はじめに

令和2年8月1日・2日に京都大学情報学研究科の社会情報学専攻の大学院入試を受け、無事合格することができました。

合格してすぐの頃はブログを書こうという気はあまりなかったのですが、院試合格後に後輩から院試のことを聞かれることがあったり、自分自身が院試勉強中に諸先輩方のブログを参考にさせていただいたこともあったので、(院試から約2ヶ月経過してしまったけど)書くことにしました。

初めてブログを書くので読みにくい箇所や変な箇所あったらごめんなさい。

院試の概要・分析

院試の概要

院試は2日に分けて実施されます。1日目に筆記試験、2日目に口頭試問があります。

1日目の筆記試験は

  • 情報学基礎(150点満点)
  • 専門科目(300点満点)
  • 英語(150点満点)

で行われました。

ただし、2020年の英語は特殊なので注意してください。例年は外部試験(TOEICとか)の点数を200点に換算してそれを英語の点数とするのですが、今年はコロナウイルスのせいで外部試験が軒並み中止になっていったので、京大独自の試験となりました。軒並み中止になる前にすでに外部試験を受けていた人は「提出した外部試験」と「本番の日に受けた英語の試験」のうちの良い方を採用されるという感じでした。

2日目の口頭試問は100点満点です。口頭試問は1日目の筆記試験の点数順に呼ばれるという噂を聞いていたのですが、確かにそんな感じでした。

何点取れればいいの?

これは志望する研究室によって様々です。

いろんな先輩にどれくらいの順位・点数だったかを聞き、それをもとに目標を決めました。自分が第一志望にした研究室は人気があることはわかっていたので、目標として、

  • 10位くらい
  • 基礎9割、専門8割、英語8割

を目指すことにしました。この目標を立てた段階では、全体の分母は50人くらいだろうと予想してました。(実際の分母は48人でした。)

科目ごとでやったこと

最終的に科目ごとで何をやったかです。勉強し始めた時期とかは、やったことを時系列で述べてる方に書いてます。

情報基礎

試験範囲として指定されている教科書と過去問で勉強しました。「この本から出します」と宣言されてるので、何を勉強するかは困りません。その教科書は字が小さい&600ページくらいあるというなかなかのボリュームですが、内容はやさしめでわかりやすいです。早めに終わらせたら気が楽かもしれません。教科書を全部読み終えたらすごく勉強した気になれます。

データベース

授業で使っていた教科書があったのでそれと過去問を中心に勉強しました。過去問を解いていくと典型問題が見えてくるのでそれを重点的に対策してました。出なかったけど。

人工知能

講義資料と過去問で勉強していました。内容が面白いのが救いでした。傾向を見るに記述中心の問題構成が予想されたので、用語の説明は詳しくできるようにしていきました。めっちゃ出ました。

情報システム

講義資料と過去問で勉強していましたが、途中で全部を完璧にするのは諦めました。難しい範囲むずすぎ。

ヒューマンインターフェース

講義資料もやったけどこれは過去問めっちゃ大事。

英語

過去問がない上に試験内容が全く知らされていませんでした。読解対策をしようとか英作対策をしようとかリスニング対策をしようとか考えましたが、本当にどんな問題が出るのか分からなかったので、受験時代に使っていた単語帳を見直すくらいしかやる気が出ませんでした。本番の自分の力を信じました。

口頭試問

志望説明書の内容についての説明と研究についての試問です。1日目が終わってから対策しました。事前に提出した志望説明書を時間制限内にいい感じに話せるようにすることと、聞かれそうな質問に対する解答を頭の中で用意しました。

時系列でやったこと

友達とのLINE履歴を漁って、いつ何をしていたかを頑張って思い出しました。全体的に勉強を開始した時期が遅めなので反面教師的な感じで見てください。

2月末

点を取りに行こうと思っていた3月のTOEICが中止になり悲しむ。

3月

何もしてない。

4月

5月、6月のTOEICも中止になり絶望する。

5月8日

募集要項が発表されました。英語が京大独自の試験になると知って混乱しました。どんな試験か(京大入試みたいなやつなのかTOEICみたいなやつなのかリスニング出るんかとか)を全く教えないことに文句を言ってました。

5月中旬

募集要項も発表されたことやしそろそろ勉強するかくらいのテンションで院試勉強を始めることにしました。最初は敷居が低そうな情報学基礎の勉強から始めました。しかし、「こんなに早い時期からこんなに分厚い教科書を開いて勉強してる俺は偉い」という驕りがあったので、1日あたりの勉強時間はカスです。勉強が進むスピードはマジでミジンコレベルでした。

6月中旬

この時期に願書を提出します。研究室を希望順に7個書くのですが、書く順番がなかなか決まりませんでした。研究室紹介資料を何回も見ました。

また、口頭試問の際に使うことになる志望説明書を書くのにも苦しんでいました。でもここでテキトーに書いて口頭試問の対策をする時に苦しむのは嫌だったので、真面目に書きました。

情報学基礎の教科書は読み終わってはいましたが、何となく過去問を解く気にはなれなかったので、専門の勉強を始めました。専門の4科目を平たく勉強することにしました。スピードはまだミジンコレベルです。

英語の勉強をしなければいけないのはわかっているが何をすればいいのかが不明なので乃木坂46の英語番組『乃木えいご』を見始めました。マジで何してんねん。

6月末

研究発表を機に一旦卒業研究をストップ、本格的に院試勉強を始めることを決意。

7月初旬

この時期になってようやく先輩に院試の難易度やどれくらいの順位を取らなければならないかを詳しく聞きました。死ぬほど焦って周りの友達にどれくらい勉強しているかを聞いてさらに焦りました。この頃から毎日14時間くらいの勉強生活が始まりました(地獄)。

過去問はこの時期くらいから解き始めました。

7月8日

出願状況が発表。社会情報学専攻自体の倍率はそこまで高くなかった(1.5倍)ですが、研究室の倍率・難易度はあんまり変わらんやろと思ったので特に何の感情も抱きませんでした。

7月11日

同じ専攻の院試を受ける友人と積極的に情報交換をしていこうとなりました。疑問は解決しやすいし双方の理解が深まるしでめっちゃ良かった。

7月中旬

情報システム捨てよかなと迷いましたが、今になって捨てるのはもったいないと思ったので一部分だけ捨てることにしました。

世間がコロナでオンライン試験とかになっていく中で本当に試験実施されるんか?と疑ってました。

7月末

恥ずかしながらこの時期に過去問1周が(だいたい)終わりました。それ以降は直前の詰め込みをしました。まとめノートを作っていたのでそれを見まくっていました。

本番の持ち物を整理したり、服装を先輩に聞いたりして準備を整えていました。

本番の流れ

8月1日(試験1日目)

7時半くらいに起床。最後の見直しをしました。

9時半くらいに試験会場に到着。

情報学基礎(10:00-12:00)

出た問題

  1. コンピュータアーキテクチャ
  2. OS
  3. ネットワーク
  4. アルゴリズム
  5. データ構造とか

この中から3題を選択します。試験開始とともに全体を見ました。4番では自分でアルゴリズムを考える問題が出てたので内容を見ずに切りました。1,2,3,5のうちどれを切ろうかは迷いましたが、ネットワークをなんとなく切りました。なので、解答したのは1,2,5です。

丁寧に解き、見直しも流石にもうええやろと思うくらいしたところで途中退室しました。終了30分前くらいだったと思います。

友達とご飯を食べました。

専門科目(13:00-16:00)

出た問題

  1. データベース 変なやつとトランザクション
  2. 人工知能 マルコフ決定過程強化学習
  3. アルゴリズム
  4. 情報システム なんか見たことありそうなやつ
  5. ヒューマンインターフェース 例年通り

まず最初は、これまで2題でていた人工知能が1題になっていたのに驚きながらも、ヒューマンインターフェースの5番が解けそうだったので解きました。ヒューマンインターフェースはハンパない文字数を書くことになるので手が疲れます。でもこれは分かっていたことだったので特に焦りませんでした。

次は、人工知能の2番が予想通りの問題形式でだいたい解けそうだったので解きました。想像以上の文字数を書くことになり手が死にました。

最後の1問でどれを解くかは迷いました。ですが、アルゴリズムはやる気がなく、情報システムは見たことあるといえども自信がなかった(やる気もなかった)ので、データベースの1番を解くことにしました。前半の問題は分からないなりにも頑張り、後半のトランザクションは丁寧に解答しました。

全体を見直した後、汚い文字を綺麗に書き直す作業をして終了時間を迎えました。

英語(16:30-17:30)

出た問題

  1. 選択問題×30
  2. 文章問題、要約、自由英作

京大って選択問題作れるんやと驚きました。英語は全体で1時間の試験だったのであまり考えこみすぎないようにしながら解答していきました。

体感としては難しかったです。

家に帰ってからは疲れからか全然やる気が出ず、22時くらいになってやっと口頭試問対策をはじめました。対策内容は上に書いています。

8月2日(試験2日目)

8時半に起床、何度か通しで話す練習をしました。

9時半に会場に着いたところ、まさかの一番乗り。先生がホワイトボードに口頭試問の順番を書き出してる最中でした。朝ご飯のバナナを食べながら自分の番号が書かれる瞬間を見ました。これが昨日の筆記の順位か(一応、確定情報ではないです。多分そうって話。)と思うとめっちゃドキドキでした。自分は11番目でした。

口頭試問では、志望説明書の内容に関する説明はカットで研究に対する試問が一つのみでした。驚きました。一瞬で終わりました。

感想とか

マジでしんどかった、2020年7月は人生で一番勉強した月になりました。多分これ以上勉強する月はもうこないです。勉強量が多かったのももちろんしんどかった要因の一つですが、一番でかい要因は周りのレベルが高い中でそれなりの順位に食い込まないといけないことでした。

以下に、これはさっさとやっといた方が良かったなあと思ったことを箇条書きで書きます。アドバイスとかできるようなレベルの人間ではないやつの戯言なので、聞き流してください。

  • 何が起こるかわからんから英語の外部試験は受けれる時に受ける
  • 自分が何位くらいに入らなければならないかを把握する
  • 必要な勉強の全体的なボリュームを把握する
  • 情報基礎を早い段階で終わらす

はじめてのブログ、書くの疲れました。このブログが誰かの役に立てば幸いです。

[おまけ] 本番が終わった後の流れと開示結果

8月7日

合格発表をネットで見ました。合格で喜びました。 ここでの合格発表は専攻自体の合否なので、どの研究室に配属されるかはまだわかりません。

8月9日

格通知書とともに配属研究室が明らかになります。第一志望に受かっていてすごく喜びました。

9月中旬

頼んだ人は点数開示をすることができます。自分は気になったので頼みました。

開示結果は、

英語 117/150

情報学基礎 140/150

専門科目 257/300

口頭試問 66/100

でした。

目標にしていた基礎9割、専門8割、英語8割をだいたい満たすことができたので満足です。口頭試問は悪めの点数が出てますが、あれ以上よくできないとも思うのでまあそういうことなんやろなー。